「ストレイト・ストーリー」
 
あらすじ
  実話を基にデビッド・リンチ監督が描いた作品。
  アメリカのアイオワ州に住む73歳のガンコな老人アルヴィン・ストレイト。
  10年仲違いをしていた兄が心臓発作で倒れたという知らせを聞き、
  彼はたったひとりで500km離れた兄の住む町へ
  時速8kmのトラクターに乗って旅に出た。

キャッチコピー
  人生のわすれものを探す旅

感想
  急に何か映画を見に行こうということになって、消去法で選んだ作品。
  前半は面白かったが、後半突如舞台が変わってビックリ。
  タイムトラベルのCGシーンや、迫力と緊張の戦闘、
  特殊メイク、後半の映像部分はすばらしかったが、それだけだった。
  おすぎは某番組で、この映画はタイムトラベルについて描かれていて、
  「この夏必見」などと寝言を言っていましたが、私は勧めません。
  そして主役の演技がどこかネプチューンの原田っぽかった。

印象に残ったセリフ
  「年をとって最悪なことは、若い時のことを覚えていることだ」
  年を取ったものだけが感じる寂しさなんでしょうか。

オススメ度
  ★★★★★ 色々おじいさんの台詞から得るものがあるはず。

教訓
  監督がいつも似たような作品を作り続けるとは限らない。

ネタバレ感想文   下の部分を反転させてください

  ラストで主人公がやたら語りすぎという作品が最近多い。
  過去に「人にやさしく」を例に挙げて言及したことがあったが、
  主人公がこれまで感じたことをラストで語る際に、
  無駄な台詞、過剰な説明が入りすぎてとても不愉快なことが多い。
  しかしこの映画でのラストは練りに練った少ない台詞で締めくくられている。
  あれだけ苦労して兄と再会した、ラストシーン。
  120分引っ張って作り出したこの恵まれた材料を
  ヘタに料理すると、映画全体が台無しになってしまう。
  そこで弟に「久しぶり」とか「悪かった」なんて言わせず、
  兄も「来てくれてありがとう」や「大変だっただろう」など言わせない。
  ましてや感動の再会として2人抱き合ったりなんかさせない。
  「あれに乗っておれに会いに来たのか」「そうだよ」
  たったこれだけの会話で十分。ムダな台詞は何も要らない。
  最後にセリフで色々説明するのは簡単だが、それをやると芸が無い。
  キャラクターに『何を言わせるか』より『何を言わせないか』。
  大事な場面で台詞の多いドラマはうすっぺらな作品が多い。


 
MANGA WALKER vol.184 より